燭台(鶴亀)使い方
燭台は蝋燭を立てる仏具です。真宗大谷派では写真のような「鶴亀」と呼ばれているものを使います。ご家庭のお内仏(お仏壇)では蝋燭型の電球が取り付けられていることが多くなっていますが、基本的にはここに蝋燭を立てます。また普段使用してない時は、朱色(赤色)の木蝋を立てておくのが決まりとなっています。また読経時のみ火を灯します。基本(葬儀・中陰等を除く)は赤色の和蝋燭を使用いたしますが、通常のお勤めの場合は白い安価なものでも構いません。法事などの大きな行事の際は赤色の和蝋燭のご準備をお願いいたします。
https://mie-betsuin.com/2016/04/11/015蝋燭(ろうそく)の色は何色?/
鶴の向きに注意
鶴亀にはこう見えてしっかりとした向きがあります。まずは鶴が咥えている軸です。この軸を蓮軸といいます。蓮軸には蓮の実と蕾、そして葉が彫刻されており、これには向きがあります。
正面には蓮の実がきます。向かって右側には蓮の葉、左には蓮の蕾がくるように置きましょう。この際、もう一点、注意しなければならないのが、蓮軸の差し込みが鶴の口の奥にきている事です。おみがきをしたりした後だとわからなくなってしまい適当に配置されている方がいますが注意しましょう。
鶴亀は前卓(まえじょく・お仏壇の真ん中あたりにある長めの卓)の向かって右側に口を左に向けて置きます。ただし三具足(みつぐそく)の場合。これは後ほど解説致します。
実は亀の向きにも注意
鶴だけかと思いきや、亀にも向きがあります。亀は尻尾が手前を向くように置きます。そして鶴の口が開いているものは亀も口が開いているものとセットになります。狛犬とかの阿吽と一緒と考えてください。
三具足と五具足
実は真宗大谷派では前卓の仏具の配置の仕方が2パターンあります。通常時は三具足を使い、向かって左から花瓶(かひん)、土香炉(どごうろ)、燭台(鶴亀)を配置します。
ところが五具足の場合、花瓶と燭台(鶴亀)が1対2つとなり、向かって左から花瓶、鶴亀、土香炉、鶴亀、花瓶という形に変わります。この五具足は主にご自宅で行われる報恩講(お取越)で使われます。この時、向かって左にある鶴亀は鶴も亀も口を閉じており、亀の尻尾はやはり手前を向いています。写真の花瓶はお寺の本堂で使われている特殊なものなので向きはないのですが、一般のお仏壇では向きを気にしなくてはならないものもありますので、次回は花瓶についてお話しいたします。
ただお仏壇によっては五具足が最初からできないものがありますので、ご注意ください。
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